デザインのルーツは山岳少数民族の生活用具

「ソップモエアーツのバスケットは独特のフォルムが魅力的。誰がデザインしているの…?」。欧米や日本のお客様から、よくこんなご質問をいただきます。デザインのルーツは山岳少数民族の伝統的な生活用具です。
    米を運ぶ背負いかご、米を干す平らなかご、衣類をしまうドーム型のかごなど、山暮らしの知恵から生まれたかごをもとにサイズを変えたり、二色編みにしたり、部分的にデフォルメしたりして「ソップモエアーツ(Sop Moei Arts )」のバスケットが誕生します。
    ミャンマー、ラオス、ベトナムの古いバスケットなどもデザインの参考にしています。モダンなセンスのさじ加減ひとつで、山奥の素朴な生活用具が都会の暮らしで際立つ、おしゃれなバスケットに生まれ変わります。

希少価値の高い伝統的な手作業

  バスケットづくりはカレン族の男性の仕事です。竹の採取に始まり、竹を割り削って細いひごを作り、それを鍋で煮て染色と防虫。こうした手間のかかる下準備があって、ようやく編む作業に取りかかれます。ポーカレン族の人々はもともと書き文字がないため、編み方の注意点やマニュアルはなく、制作者の記憶と経験が唯一のたより。
    編む工程も手間のかかる細かい作業なため、小さいバスケットでも1人で1ヶ月に10個ほど。手の込んだ大きなバスケットなら、熟練者でも1ヶ月に3個ほどしか作れません。カレン族の間でも熟練者が年々減少しているため、バスケットは生産が難しく時間もかかり、今や希少価値の高いものとなりつつあります。

厳しい品質チェックと1ヶ月かかる薫製仕上げ

  バスケット製作後、プロジェクトリーダーの厳しい品質チェックを受けます。フォルム、強度、安定感、細部の仕上げなどで合格点に達したものだけが、山奥の工房に納品されます。
    納品後のバスケットを待っているのは薫製仕上げ。工房の薫製小屋で煙が均等にまわるように、定期的にバスケットの位置が変えられ、何週間もかけてじっくりと炊き出されます。この薫製仕上げで防虫効果が増し、製品に美しい色つやが生まれます。気の遠くなるような長い製作工程をへて、「ソップモエアーツ」のバスケットはようやく山を下り、みなさんのお手元に届けられるのです。

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